私は元々、仕事とはお客様に満足していただく事が一番だと考えていました。しかし、それは大間違いで、スタッフ同士のコミュニケーション、思いやり
が最も大事だと感じました。
なぜ私がそう感じたのか、そしてバーテンダーという仕事を選んだのか…。
そのストーリーを少しだけお話しします。

それは、オーストラリアへの留学がきっかけでした。
留学当初、私は英語を話すことが出来ませんでした。そんな私でも、あることがきっかけで人とのコミュニケーションが取れ、仲間が出来ました。
それは、アルコールでした。
アルコールを通じで人々が笑顔になり、打ち解け、それぞれの事を話し、明日への活力とし、心を共感させまた夜になると再開して仲を深める。

そこで出会った仲間の紹介で沢山のバーを飲み歩き、必然とバーテンダーに憧れ、バーテンダーの勉強をし始めました。

しかし、私がオーストラリアに着き、6ヶ月が過ぎようとした時、ついにピンチを迎えます。

お金がなくなりました。

その時の全財産は90ドル。
正直、やりたい事も出来ず、食べる事もままならない状況でした。
見知らぬ地で、仕事もお金もない。ただ、あるのはアルコールをきっかけで知り合った仲間だけ。。。

この時、人生のターニングポイントを迎えました。

仲間の紹介で行き、仲良くなったバーテンダー兼オーナーの方が助けてくれたのです。
そこのバーで働かせて頂き、食事もご馳走して頂き、仕事終わりには大好きなビールまで頂き…スタッフ同士で楽しく過ごしました。

通常、出勤時間は18時からだったのですが、お金がない私を見て、昼の12時出勤にしてくれました。
そうする事で昼ごはん、夜ご飯を食べることができ、同時にお金も沢山頂くことが出来ました。この時の経験が私の中でずっと生き続けています。

人とは、バーテンダーとは、経営者とは、と考えた時に、困った人を助ける思いを大切にし、楽しく人生をおくることが素晴らしいことだとおもいました。

それに気付かされ、バーテンダーというお仕事を選びました。